相続税のしくみ
相続問題を難しくしている最も大きな原因は、相続税計算の複雑さにあると思います。
自分に関わる相続で、税金がかかるかどうか解らない、相続のブラックBOXになっていて、解らないから不安ですし、その先を考えるのがおっくうになってしまうのは無理もありません。
相続は税務署の許可なしにやらせないぞ、というような無言の圧力すら感じます。
我が国の相続がスムーズに進まない弊害の一つに難解な税法があると正直思います。
専門家であっても、相続税の計算の仕方を何も見ずに説明出来る人は限られると思います。
税理士であっても普段相続税の申告を日常的にこなす方以外は意外とそうかも知れません。
相続税の計算は、税法の言葉を使って説明すると途端に訳がわからなく難しくなってしまいます。
なるべく解りやすく説明しますと相続税は次のようなしくみになっています。
ちなみに、個人の税金計算を個別具体的に「あなたの場合いくら相続税がかかります。」と言うのは税理士法違反になるようですが、一般論を述べるのは税理士法には触れません。
それでは・・・
1、まず、遺産の総額を計算します。
遺産は 現預金 + 不動産 + 株 + 保険金 + 退職金 + その他
この合計から 借金 と 葬儀費用
と 基礎控除(3,000万円+法定相続人の数×600万円)
をマイナスしたものが
遺産総額 です。
ただし、保険金には非課税枠があります。(法定相続人の数 × 500万円)
そのほか保険の契約形態により相続税の対象となる場合とそうでない場合がありま
す。ここは注意が必要な重要ポイントです。
その他、生前贈与や相続時精算課税の事など個別的にややこしいことがありますがこ
こではとりあえず省略します。
遺産総額がわかればあとは比較的簡単ですが、ちょっとだけ変わった計算になります。
2、相続税総額を計算する。
遺産総額
を 一旦各相続人へ相続割合に応じ按分(あんぶん)する。
それから 相続税の税率をかける。
→ 相続人1 〇〇 円 × 税率 = 税金
→ 相続人2 〇〇 円 × 税率 = 税金
→ 相続人3 〇〇 円 × 税率 = 税金
合 計 相続人全員の合計税金
つまり相続税の総額
相続税の税率
1,000万円 以下 10%
3,000万円 以下 15% 控除額50万円
5,000万円 以下 20% 控除額200万円
以下省略します。
3、納税額の計算
今度は2で計算した相続税の総額を
実際に取得した財産の割合により按分する。
相続税の総額 → 相続人1の取得財産分 → 納税額
→ 相続人2の 〃 → 納税額
→ 相続人3の 〃 → 納税額
※この段階で配偶者の税額軽減などが加味される。
配偶者の税額軽減
1億6千万まで税金はかかりません。
ただし、法定相続分がそれ以上あればその超える分は払わなければなりません。
※この配偶者の税額軽減をフル活用すれば1億6千万までは相続税がかからないことになるのですが、配偶者が万一後追いのような感じですぐに亡くなった場合、2次相続が大変なことになります。親亡き後の兄弟間は特にもめやすい状況になるので・・・。
このように2と3の税額計算が二段階になっているのがややこしくなっています。
いかがでしょうか、これだけ複雑な税金計算はやはり一般の人にはなかなか難しいと思います。しかし、税金がかかるかからないの判断が出来れば、次のステップへいくことが出来ます。
仮に、税金がかからないと解ればあとは、どう財産分けするかを考えればいいことになります。
ちなみに、税金がかからないとしても、かからないことを税務署に説明する必要があります。微妙な場合は、例え納税額がゼロ円でも相続税の申告が必要が場合があります。
また、配偶者の税額軽減など各種税法の特例を利用する場合にも申告が必要です。
よって、何もしなくても相続税がかからないことが明らかな場合以外は申告が必要です。
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